日々の身繕いでイツノマニカ体内に生成される毛玉のハナシ


by neko-dama
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31

『宇宙の果てのレストラン』読んだ。

『宇宙の果てのレストラン』

原題:"The Restaurant at the end of the Universe"
著者:Douglas Adams 安原和見・訳
河出文庫 4刷2008年5月10日 (初版2005年9月20日)
※新訳で復刊したもの。絶版となった旧訳は1983年新潮文庫から訳者=風見潤。

1作目の感想⇒『銀河ヒッチハイク・ガイド』読んだ。

ということで、『銀河ヒッチハイク・ガイド』の2作目読了。
1作目で広げた風呂敷をきれいに馬鹿馬鹿しく折りたたみました!という見事さ。
1作目だけだと消化不良感が残るけども、ここで漸く一段落着いたなと思うカタルシス。

ナンセンスSFコメディはそのままに、終盤は禅問答のような場面もあって哲学的でもある。
しかしまあその全てを吹き飛ばすようなラストは明るく前向きで、イマを楽しむ以外に人には何も出来ないという諦念のようなものも漂っている。
1作目よりも、この2作目のほうがより好きだ。この無常観と気楽さの同居!

タイトルに“宇宙の果て”とあるが、これは隅っこという意味の比喩的な表現ではない。というか、私はそう思い込んでいたのだが、違ったのでヤラレタ感があった。
これは字義通りに“終わりのとき”なのだ。英語でも日本語でも、どちらともとれるニュアンスの言葉をうまく使ったってことだろう。

今回は時間旅行についての立場が明記されている。
“歴史はジグソーパズルのように各ピースがはまりあってできるものだから、なにがあっても変化したりしない。あるものごとを変化させるために、過去に戻って重要な変化を起こしたとしても、その重要な変化はそのものごとが起きるときにはすでに起きたことになってしまっているわけで、すべては結局収まるべきところに収まるのである。” (p138,L7-11)

これ以上に納得のいく説明はないやね。
そしてそれがこの作品を大きく包み込んでいる、ひとつのテーマでもあるようだよ。

あと、読みながら英語の原文を想像すると、より楽しく読める。
原文では言葉の響きや、似た言葉とのダブル・ミーニング、言葉から想像されるイメージといったものが匂いたつ文章に違いないから。いっそ原書に手を出そうか、と思わせるほど言葉遊びが巧み。
でもほら、読むべき本がたくさん溜まってるから、原書に伸びた手はおずおずと引っ込めるんだけどね。

3作目⇒『宇宙クリケット大戦争』読んだ。
[PR]
by neko-dama | 2008-11-18 14:34 | 猫の図書館/美術館