日々の身繕いでイツノマニカ体内に生成される毛玉のハナシ


by neko-dama
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『不透明な時代を見抜く統計思考力』読んだ。

『不透明な時代を見抜く統計思考力』

著者:神永正博
ディスカヴァー・トゥエンティワン 2009年4月15日第1刷発行/2009年5月10日第2刷発行
統計、データを読み解く基礎力についての本。

基礎編、中級編、上級編の3章から成る、統計の読み方を初心者にわかりやすく説明した本。

私はマーケティング・リサーチの仕事をやっていたので、この本に書かれていることは既知。
統計やデータを仕事にしてる人にはあんまり意味のない本です。

ですけども、普通の大学生やサラリーマンの方々、統計って何さ?アンケートってただ質問するだけでしょ?と思っている方々には非常に役立つ本ですよ。
難しい数式はほとんどナシ!これは考え方についての本です。

常々、雑誌やTVや広告で使われるデータ(円グラフや棒グラフやら)のいい加減さに辟易している私。
ああいうエセ・グラフを鵜呑みにする人がいると思うと、苦い気持ちでいっぱいになるもの。
だから、みんなコレを読んで一緒にエセ・グラフにツッコミいれよう!

つまり、サンプル数が明らかに少ないとか、
特定の年代だけを対象にしたアンケート結果を一般化してたり、
酷いのは縦軸一目盛りの高さを大きくとって、一見差があるように見せかけたり、
時代背景や社会事情を考慮にいれてなかったり、
物価指数を考慮にいれてなかったり、
母集団と性年代別比率が違いすぎたり・・・。

といった様々なダメ・データのダメ・解釈が、この世に存在するということ。
それを知ってほしい!

数字はいかようにでも解釈できるのです。
だから、自分で同じその数字を見て、自分なりに読み込むことが大事なんです。
数字ひとつ、データひとつでは、何も言うことなどできないのです。
一つの結果と裏付けのバックデータ、社会背景や人間心理、そういった諸々を考え合わせて初めてひとつの仮説を主張できるのです。

この本はそういった統計・データについての考え方を実際のデータを用いて、解釈を加えながら説明しています。
私みたいに感情的に訴えるものではありませんのでご安心を。
ただ、本にも書いてある通り、本書でのデータ解釈は一例であって、その仮説たちは正しいとも間違っているとも言えません。
そのあたりは読みながらツッコミ入れたり、自分ならどう解釈するかを考えながら読むと良いと思います。

私がデータを見るときは、まずどのように集められたデータかを確認するところから始めます。
・サンプル数は充分か?
 (最低でも60、多ければ多いほど信頼できる)

・対象者の性年代別構成比、属性などが母集団とかけ離れていないか?
 (性年代別の割当数は?必要な年代が含まれている?地域や豊かさのレベルに偏りはない?)

・対象者はどんな人たちか?それは妥当か?
 (何かの読者、ネットユーザー、モニターなど特定の集団からの抽出ならそれを頭にいれて解釈する必要がある。例えばネット調査は一般に情報感度の高い人の集まりなので数字がゲタをはくことがよくある)

簡単に言えばこの3つです。

それを確認して初めてデータを読み込みます。
これが頭に入っていないと、読み違えることがあるからね。
サンプル数が20しかなかったら、信頼性は超低いので一般化できないし。
母集団の男女比が5:5のとき、対象者男女比が2:8だったら、GT(総計)データには男女差が反映されていないからモノによっては母集団とはかけ離れた数字になるだろうし。(この場合、男女別ブレイクしたデータを見るが吉)
ネット調査では中高年(50代以上)のネットユーザーが少ないので、偏ったり。

データを解釈するときは、そのデータがどのように集められたのか?を常に頭に置く必要があります。
これ大事!

みんなこれを読んで、エセ・データに騙されない大人になろうぜ!


余談ですが、こういった量的調査(数量データ)の他に質的調査なんてのがあります。
座談会やら、テキスト・マイニングやら。
それはサンプル数が少なかろうと構わない!
ある特性を持ったあるグループを質的に分析するから。
たとえば缶コーヒーを週に5回以上飲む人達とかね。
その場合、比較のために週1回しか飲まないグループも調べたり。
でもこの質的調査だけでは説得力に欠けることが多いので、量的調査のデータも併せて解釈するのが望ましい。
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by neko-dama | 2009-10-01 14:15 | 猫の図書館/美術館