日々の身繕いでイツノマニカ体内に生成される毛玉のハナシ


by neko-dama
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サウスバウンド読んだ。

映画になったやつ。映画は観てない。
サウスバウンド、文庫本上下巻。

上巻の舞台が中野ってことで、ちょっと懐かしかった。
下巻の舞台は沖縄のほう。
元・過激派の父親に振り回される小学6年生の、父親再発見&世界を見る目成長小説。

全体的にダラダラとしていて冗長、散漫な小説。
上巻の2/3を過ぎるまでは、面白くなってこない。
小説としては面白くない部類。
ただ、読後感は爽やか。

無国家主義的な主義主張は、それなりの筋道がたってナルホドと思わされるが、
それに習おうとは思えない。
元々、ひとつの生き方として極端に描いているだけで、これを良しとしているわけではないだろう。
また、子供の視点で描くことによって過激さをマイルドにし、
中立的になる点は成功していると言える。
だが反面、子供世界のエピソードが(大人世界の縮図としてシンクロしているとはいえ)、
話を散漫にしている印象。
ひとつひとつのエピソードは面白いのに残念な感じ。

最終的にこの父親に好感が持てるのは、群れないからだろう。
自然保護団体や左翼、右翼と組まない。
お前たちと一緒にしないでくれ、という態度。
そして、勝つことが大事なんじゃなく、最後まで闘うことが大事だ、と息子に言うところも良い。

個人の自由とは難しい。
国という枠、法律という枠の中で生きるしかなく、また、それらに守られてもいるんだから。
この父親ほど極端でなくても、私たちは時に国家を疎ましく思うもの。
国民年金?健康保険?放っといてくれよ!なんて、思うことは誰でもあるんじゃないかな。
国家のために何もしないかわりに、国家に何も求めない、という選択肢は
今の私たちに許されてはいないわけだ。自動的に国家の枠組みに組み込まれる。

でも悪いのは国家ではなく、上層部が搾取していることなんだろう。
でも中国4000年の歴史を見ても、権力側は搾取大好き。
富める者は更に富み、持たざるものは更に貧しくなる。
国家・権力というものに、どうしたって搾取はついてまわるんだろう。

こういう問題は難しくて一口には言えないものがある。
搾取はなくならないだろう。
だが、搾取されている、という事実を認識するだけでも良いんじゃないかな。

私はナンダカンダ言って、日本が好きだし、恩恵を受けているとも思う。
まぁ税金の使われ方に業腹だったりもするけど。

映画のほうはどうだったのかな?面白くまとまっていたのかな?
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by neko-dama | 2007-12-26 18:56 | 猫の図書館/美術館