日々の身繕いでイツノマニカ体内に生成される毛玉のハナシ


by neko-dama
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夜空見上げて。

東京の夜空は明るくて、星もまともに見えない。
山間部に行けば綺麗な、それこそ降るような星が迎えてくれるけれど。
子供の頃に居た伊豆あたりでは、夏になると見事な天の川が横たわった。
北極星、北斗七星、大三角形、オリオン、カシオペア・・・。

南半球は、当たり前だけど、東京と違う星空が見える。

住処にしていた宿は、共同の食堂スペースがあった。
といっても、いたって粗末なもので、まるっきり外に設えてあった。
天井には何らかの板が置いてあり、雨は凌げる。トタン屋根みたいなものだった。
風が通らないよう、壁代わりに適当な幕を張ってあったけれど、風は充分に通っていった。
飾り気の無い木のテーブルと一体型の椅子。
ニュージーランドではよく見る形の、そのテーブルが4つ5つ置いてあるだけ。
大抵は皆、部屋の中のテーブルで食べていた。
(そのテーブルもやっぱり同じ、木の一体型のもの)

外の食堂は、宿が主催するBBQであったり、別の部屋の住人と一緒に食べるときであったり、
外部の人間が来たときで部屋では狭い場合などに使われた。

私は外食堂で食べることが多かった。
宿のみんなと交流しながら食べたほうが楽しかったから。
すぐそばに、みんなが使う小さな共同キッチンがあったので、キッチンの順番待ちがてら食堂でお茶を飲むこともしょっちゅうだった。
第一、晴天の昼間などは外で食べたほうが断然気持ち良い。

ある晩。
ギターを持ったオランダ人のハンスが翌朝旅立つというので、数人でお別れ夕食会をした。
最後には酒が入りすぎ、みんなほろ酔いでハンスのギターに合わせて歌った。

country roads
take me home
to the place I belong
West virginia mountain momma
take me home
country roads・・・

食堂からそれぞれ自分のドミトリーに向かう途中、夜空が綺麗だった。
ハンスも、スティーブも、キムも、タカシも、リサも、みんなで見上げた。
そこには小さな南十字星。
誰かが指をさして、故郷では見れないと言った。
私は答えて、思ったより小さくてガッカリした、と呟いた。
みんなで笑った。

誰かの部屋のドアが開いて、うるさい、もう寝ろ、と怒鳴っていた。
肩をすくめて、私たちは小さく笑い合った。
明日の晩は、ハンスはもういない。
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by neko-dama | 2008-06-19 13:58 | キウイ