日々の身繕いでイツノマニカ体内に生成される毛玉のハナシ


by neko-dama
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『トリフィド時代』読んだ。

話には聞いていたSF、ジョン・ウィンダムの1951年の作品『トリフィド時代』を読んだよ。

原題:"the day of the triffids"
著者:John Wyndham 井上勇・訳
創元推理文庫 7版1968年 (初版1963年)

舞台は英国。(著者も英国人)
緑色の美しい光が夜空に広がった、その翌朝。
目覚めてみると人類は盲目になっていた。
緑色の流星群を偶然見なかった少数の人たちは盲目にならず、生きる道を探ることになった。

そんな中、良質な植物油抽出用に育てられていた3本足の植物―トリフィドの動きは活発になり盲目の人々を襲う。
トリフィドは全世界に生息している歩行型植物であり、毒のある鞭をふるい腐肉を食らう。
世界が平常だった頃は、毒鞭を切り取り、動き回れないように足かせをつけることでうまく管理し、その恩恵に与っていた。
しかし、トリフィドは自分達の大いなる活躍の場に気付いたかのように猛然と盲人達を追い回す。

盲目となった人類に助けは来るのか?
目の見える少数の人類はどのように命を繋ぐのか。
トリフィドとの闘いは?


というようなお話でございまして。
大変面白かったです。
静かに幕を開ける主人公のある一日。
異常な街の雰囲気。 絶望から命を絶つ人々。
それをただ見ているしかない主人公。

トリフィドの謎に包まれた出自、主人公が推測する緑色の流星群の正体。
謎の部分はすっきりとは解決されず、それでも人類が自分達の首を締めたのだろうことは提示される。

トリフィドとの闘いもさることながら、やはり人間同士の争いに主眼が置かれている。
大多数の盲目の人々と少数の目の見える人々の争い。
目の見える人々の中でも思想の違いから対立が生まれる。
何が正しくて、何が間違っているのか。
それは勿論、誰も正しくはなく間違ってもいないのだ。
必死に生き延び、人類を建て直そうとする限りは。

面白いのが、「きっと今にアメリカ人が助けに来てくれる」というフレーズ。
こういうときばかり頼みの綱にしてる!

静けさが支配する序盤からコロコロとどんどん話が進んでいき、
二転三転しながらの主人公のサバイバルは最後まで波乱含み。
SFパニックもの好きにはオススメの一冊。
映画『28日後・・・』好きにもオススメです。

ただ、絶版のようなので、図書館とか古書探しするしかないんだけど。
改訳してまた出版してくれないかしらねぇ。
(古いので、例えばソルトレイクシティーがソートレーキシチーになってたり、めくら、めあき、片輪などの言葉が使われています)
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by neko-dama | 2008-09-09 16:28 | 猫の図書館/美術館