日々の身繕いでイツノマニカ体内に生成される毛玉のハナシ


by neko-dama
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"Percy Jackson and the Olympians Book Two: The Sea of Monsters"

著者:Rick Riordan リック・リオーダン
Miramax Books Hyperion paperbacks for children 2007/4/1発売
パーシー・ジャクソンのシリーズ第2弾。

って、いきなり第2弾からですが。
1作目『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々 盗まれた雷撃』については、
映画化情報と併せて映画館ブログの方に書きました。
『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々 盗まれた雷撃』予告編第2弾
映画の感想は⇒パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々 【現代の ギリシャの神々 何しとう】

さてさて。
タイトルに使ったのは邦訳版の題名。
私が読んだのは原書の方。だって対象年齢9~12歳だっていうから。
ハリポタ同様に、難しい文法や単語を知らなくても大丈夫!
平易な文章なので英語の勉強には良いと思う。

現代アメリカを舞台に繰り広げられるギリシャ神話の神々とその子供達の冒険。
1作目は単純過ぎた感じがあって、子供向けだにゃ~って思ったんだけど。
まあ今回もモンスターの甘い罠にかかるパターンが踏襲されてたりのするのは子供向け。
でも1作目よりずっと面白かったよ!

イアソンのアルゴノートの探検(黄金の羊毛を探求)を下敷きにしたストーリーは親しみがあって楽しい!
他にもゼウスの息子タンタロスの、永遠に飢えと渇きに苦しむエピソードが出てきたり。
目と歯を3人で1つしか持っていない老婆3姉妹グライアイや、
オデュッセウスが出会った特大サイズのキュクロプス―ポリュペモス、
セイレーンやカリュブディス、スキュラ、ヒッポカンプ、ヒュドラなどのモンスターが盛り沢山に出てくるのもわくわくする。
ついでに、ペルセウスに助けられたアンドロメダーが船の舳先に石化した姿で据えられていたり、
魔女キルケーに出会って大変な目に遭うのも面白かった。

ちなみにイアソンは英語でJason、ジェイソンだ!
あとね、人間界でパーシーが通っていた学校の校長先生の名前がMr. Bonsaiでした。
盆栽?なんでだ?
邦訳でどうなってたのかが気になるところです。教えてプリーズ!

友情を深め合っては、別れていく子供達。
神を親に持った孤独感と、親になった神のジレンマ。
パーシーがどんどん成長していくのがわかって、次回作が楽しみになった。
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by neko-dama | 2009-10-11 18:27 | 猫の図書館/美術館

渋谷といえば。

渋谷といえばハチ公です。
ハリウッド映画にもなってしまったハチ公です。
こないだ、その映画の宣伝用に作られたでかいハチ公の縫いぐるみ350体のうち1体が盗まれました。
1体3万円相当だそうですけど、よくあんなデカイの、持ってったな。目撃者ゼロで。

渋谷の町ではハチ公が活躍してるよ。
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こども110番 ハチ公くん
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by neko-dama | 2009-07-09 16:28 | 猫のお出かけ
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もちろん、ポスターの真似をしただけじゃありません。
詳しくは⇒IMAXデジタルシアター探訪記(109シネマズ川崎)をどうぞ。

んで、まあ、端的に言うと。
IMAXはきちんと大スクリーン&切り立ったスタジアム型の客席でないとなぁ・・・という残念感。
楽しいけどね!とっても楽しかったんだけどね!

今後もぽこぽこIMAXシアターが出来ると良いですね。
できれば20m級のスクリーンサイズで。
イクスピアリに出来ないかなぁ!マジで!
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by neko-dama | 2009-06-22 19:33 | 猫のお出かけ
『ラブリーボーン』

原題:"The Lovely Bones"
著者:アリス・シーボルド Alice Sebold 片山奈緒美・訳
アーティストハウスパブリッシャーズ 2003年5月26日初版
アメリカで2002年7月に刊行され、二ヶ月足らずでミリオンセラーを記録。

 素敵な骨。それはむくむくと形成され年月を重ねる。折れても、より太く強く蘇る。まるでそれは絆だ。生きた絆。肉体を持った絆。この本の語り部は最初から死んでいる。スージー・サーモン14歳。学校の帰り道に近道をして、とうもろこし畑で殺された。レイプされて、殺されて、バラバラにされて、捨てられた。

 序盤はただただショックだ。著者自身レイプの被害者であり、その体験やトラウマの克服を綴ったノンフィクション"Lucky"を発表している。小説としてはこの『ラブリーボーン』が処女作だ。そういった背景を知ると、なぜ残酷な出来事に対してこんなに力強く冷静な描写ができたのかが少しわかる気がする。

 著者の背景を抜きにしても、純粋に読み物として面白い。死んだ少女が天国から家族を見守る。スージーの死を境に崩壊する家庭、自分もあんな風に辿るはずだった妹の成長、幼い弟の思い、父の犯人に対する執念、母の疲れ。そして一度だけキスをした少年レイの成長も見守り、自分を殺したアイツの行く末も見守る。

 スノードームの中のひとりぼっちのペンギンと同じ。家族やレイと共に生きられず、自分だけ別の世界にいる切なさ。だけど父が「大丈夫だよ、スージー。ペンギンは楽しんでいるさ。素晴らしい世界にいるんだから。」と言ったのと同じ。天国は素晴らしい世界だ。生きている家族の喜びは自分にもこの上ない喜び。どうか私の死を乗り越えて。ただ、忘れないで欲しいだけ。

 遺された人達それぞれの思いが丁寧に描かれ、またそれを見つめる天国のスージーの複雑な気持ちも描かれる。人物がいちいち魅力的だ。終盤の展開で、驚くことにスージーにはちょっとした救いがあった。遺された者達も力強く前進していく。一度折れて強くなった絆を胸に。もっとむくむく育つための骨を抱えて。

 ひとつだけ残念なのが、訳文がしっくりこなかったこと。直訳調の文章が多々見受けられ、日本語としては解りづらい表現になってしまっていた。加えて、現在と回想の区別がつきづらい文章で混乱させられた。段落を分けずに改行だけで回想から現在に戻ったり、現在から回想に入ったり。おそらく原文では文章ごとに時制が違うから問題ないのだろうが、訳文では時制が曖昧な文章なので特に前半は読みづらさを感じた。なるべくなら原文で読んだ方が良さそう。

 ところで、これは絶賛映画化中。指輪三部作や『乙女の祈り』のピーター・ジャクソン監督。お父さんにマーク・ウォルバーグ、リンお婆ちゃんにスーザン・サランドン。下のリンクは英語だけど、綺麗なスチル写真が載っているので見てみてください。

映画化の画像⇒ピーター・ジャクソンの『ラブリーボーン』スチール公開


映画版の感想はコチラ⇒ラブリーボーン 【愛すべき 絆を強く 時間かけ】 (猫の毛玉 映画館)
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by neko-dama | 2009-06-04 16:22 | 猫の図書館/美術館
薔薇no.29 デインティー・ベス
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(新宿御苑 2009/5/20)

優雅なベス。ベスはエリザベスの愛称なので、また英国女王関係かしらと勘ぐったけど関係ないっぽい。
作出者が恋人の名前を付けたって説があるよ。ああ、やっぱり一重の薔薇が良いなぁ。

薔薇no.30 セクシー・レキシー
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(新宿御苑 2009/5/20)

魅力的なレキシー。セクシーって日本語だと性的魅力だけっぽい使われ方よね。
虫が一生懸命花に潜り込んでたよ。

薔薇no.31 マージョリー・フェア
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(新宿御苑 2009/5/20)

フェアは美しいの意味で、美しいマージョリー。
ブロンドのことをフェアって言うよね。それって、ブロンドは良いものだって考え方でしょ。
単語の裏には文化が見える。面白いね。

薔薇no.32 ローラ
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(江戸川区総合レクリエーション公園 2009/5/17)

朱色で、とっても薔薇らしい薔薇。
ローラといえば映画『ラン・ローラ・ラン』は面白かった。当時は斬新だったし、ポップな色遣いでドイツの街を走り抜ける感じが雰囲気あって素敵だった。

薔薇no.33 エスメラルダ
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(新宿御苑 2009/5/20)

女性の名前であり男性の名前でもあるようです。ポルトガル語、スペイン語で宝石のエメラルドを指す。
まあ、全然エメラルド色じゃないけど。

薔薇no.34 マチルダ
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(江戸川区総合レクリエーション公園 2009/5/17)

マチルダといえば『レオン』の少女。ナタリー・ポートマンは今も素晴らしく綺麗。
このピンクのふわふわした薔薇は、可愛らしいね。こういう薔薇が庭にあったら素敵。

薔薇no.35 ニコール
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(新宿御苑 2009/5/20)

キッドマン!きっと関係ないけど、ニコールといえばキッドマンですわよね。
最近はあんまり良い役やらないですね。『デッドカーム』は最高でした。


《薔薇図鑑》
第1回 やんごとなき薔薇たち。
第2回 俳優・著名人の薔薇たち。
⇒第3回 女性名前の薔薇たち。
第4回 地名・場所の名前の薔薇たち。
第5回 文学の薔薇たち。
第6回 美味しそうな薔薇たち。
第7回 金とボーイとレディな薔薇たち。
第8回 見た目まんまの薔薇たち。
第9回 縁起の良い薔薇たちとオマケ。
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by neko-dama | 2009-05-31 14:59 | 猫のお出かけ
薔薇no.14 ケーリー・グラント
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(江戸川区総合レクリエーション公園 2009/5/17)

『泥棒成金』、『フィラデルフィア物語』、『汚名』、『シャレード』などなどで大活躍の英国出身ハリウッド俳優。
同性愛疑惑が根強い彼、なんとも可憐でスマートな薔薇ですね。

薔薇no.15 ヘンリー・フォンダ
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(江戸川区総合レクリエーション公園 2009/5/17)

ハリウッド俳優一家の長ですね。ヘンリーの娘がジェーン、その娘がブリジット。
『荒野の決闘』、『怒りの葡萄』、『十二人の怒れる男』、『黄昏』と良い映画にたくさん出てます。

薔薇no.16 ジーナ・ロロブリジーダ
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(新宿御苑 2009/5/20)

'50年代に活躍したイタリア女優さん。
『花咲ける騎士道』しか見てないなぁ。ジェラール・フィリップ萌えなもんで。
しかしこの薔薇、ビラビラし過ぎ!派手な感じすなぁ。

薔薇no.17 マルコポーロ
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(江戸川区総合レクリエーション公園 2009/5/17)

『東方見聞録』って紀行文をじっくり読んだことはない。よく引用されているのを読むだけだにゃ。
一度読んでみたいけど、面白いのかな?

薔薇no.18 シャルル・ドゥ・ゴール
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(代々木公園 2009/5/16)

フランスの政治家で元・大統領。この薔薇、美しいな。
今じゃ国際空港とか道とか橋の名前になっていて、その人気のほどが窺えます。

薔薇no.19 ヘルムト・シュミット
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(新宿御苑 2009/5/20)

こちらはドイツの政治家。後に文化人として活躍した人。
日本の白洲次郎を思い起こさせるような、なんか型破りでスタイルのある人のイメージ。
あくまでイメージ。詳しくは知らん。エカテリーナの間でタバコを吸おうとして火をつけたとか。

薔薇no.20 ピカソ
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(新宿御苑 2009/5/20)

キュビズム!キュビズム!
初期の作品はいたって普通のデッサンだったけど、何があったのか凄い絵に変わったことで有名。
ピカー!ってそれはピカチュウ。(´・ω・`)

薔薇no.21 モーツァルト
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(新宿御苑 2009/5/20)

まさに聖子ちゃんの歌!ピンクのモーツァルト♪
こういう野薔薇系のが、好きだなぁ。わさわさ一重のが咲いてるのが可憐じゃあないですか。
苺っぽいから好きなのかも。

薔薇no.22 ローラ・アシュレイ
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(新宿御苑 2009/5/20)

英国のファッション・ブランドのアレですね。ブランド創設したのローラさん。
まさにローラ・アシュレイのブランド・イメージ的な薔薇ですよな。
これはかなり高さのある木みたいになっていたよ。流れるような咲きっぷりが見事。

薔薇no.23 チャールズ・レニー・マッキントッシュ
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(新宿御苑 2009/5/20)

アールヌーヴォー!スコットランドの建築家・デザイナー・画家。
椅子なんかが有名なので、きっと渡部さんは「座っても良いですか?・・・ん~気持ち良いねぇぇ。このまま眠りたくなっちゃう。」とか言うはず。

薔薇no.24 スーザン・デボイ
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(新宿御苑 2009/5/20)

ニュージーランドのスカッシュ選手。
薔薇の作出国ってフランス、ドイツが目立つけど、ニュージーランドもけっこうあるのね。
ガーデニング大国だからなぁ。
そういえばスカッシュって最初発音できなかった。スクゥォシュとか発音すんの。スカッシュて言っても通じない。

薔薇no.25 F.J. グローテンドルスト
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(新宿御苑 2009/5/20)

薔薇の作出者さんの名前を冠した薔薇。1918年作出。
といっても、この薔薇自体を作ったのはデゴイさんであってグローテンドルストさんとは別人。

薔薇no.26 ピンク・グローテンドルスト
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(新宿御苑 2009/5/20)

お。さっきのと色が違うね。で、こっちを作ったのがグローテンドルストさん。
1923年作出で、こちらは先ほどのヤツから分派したもの(枝変わり)。
ギザギザしてて良いですね。

薔薇no.27 サリー・ホームズ
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(新宿御苑 2009/5/20)

作出者がホームズさんなので、きっと家族の誰かの名前を付けたんだろう。
白い一重、かわゆす。こういう素朴な薔薇は本当に良い。

薔薇no.28 ギスレーヌ・ドゥ・フェリゴンド
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(新宿御苑 2009/5/20)

作出者さんが、とある話に感銘を受けて付けた名前。
そのお話がこれ。若い将校フェリゴンド伯爵が傷を負い戦地に置き去りにされたとき、その妻ギスレーヌが危険を顧みず彼を救いに行き、手当をして連れ戻した。
なんと勇敢な愛の物語!なんと献身的な妻だろう!そして彼女は薔薇になった。ギリシャ神話みたい。

《薔薇図鑑》
第1回 やんごとなき薔薇たち。
⇒第2回 俳優・著名人の薔薇たち。
第3回 女性名前の薔薇たち。
第4回 地名・場所の名前の薔薇たち。
第5回 文学の薔薇たち。
第6回 美味しそうな薔薇たち。
第7回 金とボーイとレディな薔薇たち。
第8回 見た目まんまの薔薇たち。
第9回 縁起の良い薔薇たちとオマケ。
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by neko-dama | 2009-05-30 16:40 | 猫のお出かけ
うぃり・うぉんか、うぃり・うぉんか♪

『チャーリーとチョコレート工場』略してチャリチョコのチョコレートを発見。
チャリチョコ・チョコブリキ缶入り。
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値段は怖くて言えない。というか、怖いから記憶を消した。
パカっとな。
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お!ゴールデンチケット!やーん!工場に招待されたくない~!
でもウンパ・ルンパには会いたい。
ブリキ缶の底には、チョコ本体の写真が。
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食べてみると、どろっとしたキャラメルが中に入っていてとても甘い。
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チョコも甘いがキャラメルも甘い。
このお味にあの値段は高いですな。
でも記念モノってことで許せます。
このブリキ缶は、なつめさんの抜けヒゲや乳歯を入れておくのに使うつもり。
抜けヒゲ、大分たまったから、大きめの缶が欲しかったのよね。

これってネスレさん取り扱いなのね。
ネスレの工場にはウンパ・ルンパがいるに違いない。
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by neko-dama | 2009-05-26 13:57 | 猫エサ
『ゲイルズバーグの春を愛す』

原題:"I love Galesburg in the springtime"
著者:ジャック・フィニイ Jack Finney 福島正実・訳
ハヤカワ文庫 2002年4月15日 17刷/1980年11月30日発行
表題作含め10篇のファンタジーを収録した短篇集。初出は1952~'62年の雑誌掲載。

 SF長編『盗まれた街』に続き、ジャック・フィニィを読んでみた。これは、まずタイトルに惹かれた。ゲイルズバーグ(Galesburg)という美しい響きの町、意味は“強い風の吹く町”といったところか。春の、強い風に吹かれるコートの裾や木々のざわめきなんかを想起させる。

 短篇集なので詳細は後述するが、総体的に懐古ロマンなファンタジーテイスト。古き善き時代への愛慕が1冊丸ごとから滲み出ている。『盗まれた街』と同様、とてもリアルな筆致なのが不思議な現象を際立たせ、また、アリもしない話に真実味を持たせる。端的に言って、良質な『世にも奇妙な物語』群だ。ただ、常に冷静で客観的な雰囲気を漂わせているので、老人の昔語りの独り言チックではある。「こんなことがあったんじゃ。不思議よのぅ。」という、それだけの話。そして私はそういう話が大好きだ。


■収録作品と感想メモ
・『ゲイルズバーグの春を愛す』 "I love Galesburg in the springtime"
 開発が進められようとする古い町ゲイルズバーグで起こる不思議。壊されたくない想念の成せる業なのか?現代とクロスする過去の記憶・亡霊はささやかに抵抗してみせる。古い町並みというのは、それだけで何か力を秘めているように感じることがある。あるでしょ?自分だけが過去に足を踏み入れたかのような錯覚、脈々と連なってきた人々の生活に思いを馳せるひととき。

・『悪の魔力』 "Love, your magic spell is everywhere"
 不思議なグッズを売ってる店に通う男の話。小エロ!小学生か!っていうアレ。単純に面白かった。これが'50年代に書かれた話かと思うと、人間て変わらないよなぁとニンマリする。ロマンチシズムでいったら男のロマンというか夢なんだろうけど、オチで冷水浴びせられる感じが気持ち良い。

・『クルーエット夫妻の家』 "Where the Cluetts are"
 これも表題作系の懐古ロマン。こちらは町ではなく家そのものが魔力を持っている。魔力といってもオドロオドロシ気なものではなく、ふんわり包み込む感じだ。そして、その影響下にいる人たちは幸せに暮らしている。この夫妻は新しい形のヒキコモリといって良いんじゃないかな。こんな風に現代の忙しなさから逃れて2人で暮らすのは、ある意味で理想なのかも。できないけれど、憧れる生活。

・『おい、こっちをむけ!』 "Hey, look at me!"
 風変わりな幽霊もの。じわっと恐怖感が広がる描写は秀逸。作家の悪気なさが浮世離れしていて、たまにこういう人いるよなぁって思った。自分の才能を育てるのに周囲の人が金を払うのが当然、て本気で心底思ってる人。それでも、この作家はどうにも憎めないところがあって不思議だ。

・『もう一人の大統領候補』 "A possible candidate for the presidency"
 いささか意地悪な目線の、虎を眠らせた子供の話。人の注意を惹くのがうまい人ってのもいるわけで。政治家なんか裏で何をしてようと“巧い見せかけ”さえあれば票を集められたりする。そんな皮肉がこもっているんだろう。ひいては、金儲けというもののカラクリに対する興ざめ感なのかもしれない。

・『独房ファンタジア』 "Prison legend"
 いかにも『世にも奇妙な物語』テイストの死刑囚の話。決してあり得ないファンタジーが感動的。全体にそうだけど、ここでも真実や合理的な説明などほっぽった、あるがままを受け容れる雰囲気が心地よい。夢のような美しい一篇。

・『時に境界なし』 "Time has no boundaries"
 タイムトラベル・ファンタジー。こちらも懐古ロマン的ながらミステリ風味の面白さ。話の構成が巧いので、満足感の高い短篇になっていると思う。シェイクスピアやレ・ミゼラブルが引用されているのも楽しい。

・『大胆不敵な気球乗り』 "The intrepid aeronaut"
 軽やかで爽快な、気球を作って飛んでみた男の話。リアルさがまったくない、夢のようなファンタジー。ラストの日常感と、秘め事に笑む男の愉快さが、弾むような楽しい気持ちにしてくれる。やや冗長ながら洒落た作品。こんな逃避行動してみたい!銀河ヒッチハイク・ガイドの『さようなら、いままで魚をありがとう』で描かれた二人で空を飛ぶ件(くだり)を思い出した。あれをもっとロマンチックに純粋にした感じ。

・『コイン・コレクション』 "The coin collector"
 多次元世界もの。ストーリーは下世話な感じがしなくもないが、こんなことがあったら面白いだろうなぁ。でもこれって逃避の繰り返しじゃない?この世界からあの世界へとスイッチし続けてイイトコ取りな生き方。だがしかし、それを敢えて肯定し、人としての“正しい”生き方に立ち返らないところが面白さ。面白味のない現実への抵抗というか、せめてこういう夢ぐらい見たいや。っていう。

・『愛の手紙』 "The love letter"
 時を超えた愛の物語。懐古ロマンな『イルマーレ』。なんかもう全面的に過去に生きている人だ。ほろ苦い甘さの中に生きていると言っても良い。美しく頑なな逃避。愛ってなんじゃろか?と考えたくなる、そんな短篇だった。
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by neko-dama | 2009-04-27 18:26 | 猫の図書館/美術館

『盗まれた街』読んだ。

『盗まれた街』

原題:"The body snatchers"
著者:ジャック・フィニイ Jack Finney 福島正実・訳
ハヤカワ文庫 2007年9月20日印刷 2007年9月25日発行
※1979年3月刊行のものの新装版

1955年に発表されたSFサスペンス小説。現在までに4度映画化されている。

『ボディ・スナッチャー/恐怖の街』(1956年)
『SF/ボディ・スナッチャー』(1978年)
『ボディ・スナッチャーズ』(1993年)
『インベージョン』(2007年)


 映画は2作目と4作目はしっかり記憶に残ってます。が、1作目は未見、3作目は記憶があやふやな有様。2作目(78年版)は結構原作の雰囲気に忠実でした。映像と音楽の効果が不気味さを醸してて良かったですよ。ただ、結末はまったく違っていて、そこは原作の方が好きでした。

 ジャック・フィニイの本を読んだの、初めてでした。緻密で、不思議で、不気味で、SFでありながらとても懐かしくて身近な雰囲気が漂う。これはすごい作家さんだ。他の著作も徐々に読んでいこうと思います。

 宇宙を旅する豆サヤ。たどり着いた惑星の生物を完コピしちゃう特殊な生命力。次々と着実に豆サヤは人間に変わっていく。ひとつの町が終わったら、次は隣の町をいくつか。そうやって勢力を拡大していく。

 豆サヤのイメージはとてもアナログで身近で、でもそれが未知の恐怖で。そんな夢みたいな感覚。それはちょうどこの話の中で、周りのよく知った人々が記憶も仕草もそのままに別人になってしまった違和感、居心地の悪さと通じるもの。

 小説自体は古いけれど、人間て感情がなかったら平和なんじゃね?的なテーゼとアンチテーゼの葛藤は今に通じるものですね。主人公達も葛藤します。「今の私と何も変わらないなら、豆サヤ人になっても良いのでは?闘うことは無意味では?」、「彼らに感情、情熱がなくなっていることに気づいたか?」「それではあなたを愛する気持ちはなくなってしまうの?」といった感じに。愛情がなくなることから派生してある疑問も浮かびます。「生殖は可能なのか?」

 今もどこかで説明の付かない不思議な出来事が起こっているかも知れない。誰も信じようとしないような素っ頓狂な現実が、あるのかもしれない。そんな余韻の残る、そして豆サヤの群れが飛行する様が目に見えるような、感慨深いラストでした。

 さすがに4度も映画化されるだけあって、着想の奇抜さを日常に落とし込んだ感じが素晴らしいSFホラー小説でした。ただ、訳文が古いままでの新装版だったので残念。新訳版が出ていたら、そっちを選んだ方が良いです。日本語、ところどころ、ちょと、違和感アルヨ。
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by neko-dama | 2009-01-27 17:53 | 猫の図書館/美術館

予告編。

映画『20世紀少年』第2章が1月31日から公開です。もうすぐですね。

そんなわけで予告編をよく観ます。
あと、第1章の最後でも予告映像が流れまして。そのときから思ってたんですけど。

オッチョ(豊川悦司)が本人を目の前にして言う台詞。

「お前、アイツか!」

ないよね・・・。アイツか!ってなに?本人に向かってアイツか!って。
あんまり酷い台詞なので、観るたび笑っています。
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by neko-dama | 2009-01-19 13:24 | その日暮らし